最近、うま味調味料という言葉をよく耳にするようになりました。
うま味調味料とは何でしょうか?
結論から言うと、うま味調味料とは、化学調味料のことです。
化学、という言葉がなんとなく強いイメージを与えるので、うま味調味料と言い換えられるようになりましたが、
言葉が変わっただけで、成分もつくり方も同じものです。
ご存知でしたか?
食品の原材料表示では、「調味料(アミノ酸等)」と書かれています。
化学、というと、それだけで体に悪そうなイメージがありますが、
うま味調味料(化学調味料)は、今や私たちの生活に非常に身近なものとなっています。
うま味調味料(化学調味料)の代表は、味の素です。
若い方から年配の方まで、かなり馴染みの深い調味料だと思います。
かつては、味の素(化学調味料)を食べると、頭が良くなるという迷信さえ存在していました。
市販の顆粒だしや、コンソメなども、主な成分は食塩とうま味調味料(化学調味料)です。
主婦の方なら、これらを全く使わないという方は、少ないのではないでしょうか。
これは、非常に意見が別れるテーマです。
最も一般的なうま味調味料(化学調味料)の成分は、グルタミン酸ナトリウムという物質です。
化学調味料という名で呼ばれる通り、発酵によって生成したグルタミン酸に水酸化ナトリウムを化合させるという、人工的な方法で作られます。
(かつては石油由来の成分で作られていたこともありました。)
しかし、このグルタミン酸ナトリウム自体は、トマトや納豆、母乳などにも含まれている成分です。
直ちに体に害、というものではありません。
グルタミン酸ナトリウムの過剰な摂取により、肥満を引き起こす、目の病気が起こりやすくなる可能性がある、などといった研究もあります。
一方で、適量の継続的な摂取が病的な肥満を予防するという研究もあります。
アメリカでは、ベビーフードにグルタミン酸ナトリウムを使用することが禁止されています。
しかしこれは、母乳で既に摂取しているから、さらに商品に使うと過剰摂取だ、という考え方でしょう。
いずれにせよ、摂りすぎはよくない、というのが現段階での共通認識です。
和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、「うま味(UMAMI)」は、今や世界の共通語になりつつあります。
世界の料理人が、和食の味を研究し、「うま味」を追求しているのです。
その「うま味」が、和食文化の発祥の地である日本では、人工的に作りだされている。
それで、世界に胸を張って誇れるのでしょうか?
うま味調味料(化学調味料)は便利で手軽、今や私たちの生活に欠かせないものですが、
かつおや昆布、煮干やしいたけなど、天然由来の「うま味」が、決して忘れられることのないように、後世にまで伝えていきたいものです。